ミャンマーのロヒンギャ問題が現在さらに悪化しています。
大量の死者と難民が出ている模様です。
ここでは、ロヒンギャ問題の現在の状況と避難動画、そしてスー・チー氏へ向けられるノーベル賞取り上げの声についてもまとめました。
ロヒンギャとは
ロヒンギャ(Rohingya people)とは、ミャンマーのラカイン州(旧アラカン州)に住む人々のこと。
ミャンマーにおけるロヒンギャの人口規模は80万人と推計されているが、信憑性は低い模様。
宗教はイスラム教が主流。
ミャンマー政府はロヒンギャ族を国の構成民族と認めず、国籍を与えていない。
ラカイン州の場所と地図
ロヒンギャ問題の現在と避難動画!
ロヒンギャ問題の現在の状況は以下のようになっています。
- バングラデシュに逃れた人たちは、9月11日から過去二週間で約30万人にのぼる。
- 現在も避難中。
- 最近の戦闘では、死者は1000人から3000人の可能性があるという。
- 至る所で拷問。家は焼かれ、女性は暴行され、子供も殺されている。
- バングラデシュ、インドネシアなど近隣のイスラーム諸国では、ミャンマー政府への抗議デモが起きている。
- 人道危機を受け、武装勢力は10日から1ヶ月間の一時停戦を表明。ただしその効果は不明。
以下の動画は、バングラデシュへ川を渡る難民の様子です。
ロヒンギャ難民が避難している動画
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ジェノサイド(大量虐殺)や急激に難民が増えたきっかけ
ジェノサイド(大量虐殺)が起きたり、急激に難民が増えたきっかけは、8月25日に起きたロヒンギャの武装集団とミャンマーの治安部隊との衝突が原因です。
カタールの「アルジャジーラ」によると、「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)という武装組織が、ミャンマー西部ラカイン州で警察などを襲い、警官10人を含む110人が死亡した襲撃事件を起こした」ということで、さらなる衝突が起こりました。
スー・チーのノーベル賞取り上げの声も
かねてからロヒンギャ保護に消極的で長らく沈黙を貫いてきたアウン・サン・スー・チー氏に対しノーベル平和賞を取り上げるべきだとの声が上がっています。
英紙「ガーディアン」は2017年9月5日に、「ノーベル平和賞を取り上げろ、もう彼女にはその価値がない」というタイトルの記事を公開。
その記事にはこのように書かれています。
「私の友人なども、ビルマの民主化と、軍政によって長年拘束されていたスーチーの解放のために命をかけて戦ってきた……ここまで高く期待されて残酷なまでにそれを裏切った政治リーダーは近年珍しい」
また、英紙「インディペンデント」は、「模範となる人物だと思っていたスー・チーに裏切られた」という記事を掲載。
米紙「ワシントン・ポスト」は、「いつになったらスーチーはビルマの暴力と苦境に声をあげるのか」と掲載しています。
上記のように、世界の大手メディアから批判を受けている状況です。
同じくノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんも9月3日にスー・チー氏の発言を
「世界とロヒンギャ・ムスリムが待っている」
と批判しました。
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スー・チー氏は、8月25日にミャンマーの治安部隊とロヒンギャの武装集団の衝突が発生して以来初めてコメントをしました。
その内容は、
「大量の偽情報が危機の実態をゆがめている」
というものでした。
偽ニュースが利用され、さまざまなコミュニティー間に多くの問題を引き起こし、テロリストらの利益を助長しているとみている。
と考えているようです。
スー・チー氏の、ロヒンギャの処遇について声を上げることや、ミャンマー政府軍を厳しく非難することを拒んでいる姿勢について専門家はこう言います。
- 権力を持つ軍の機嫌とりをしている
- ミャンマーで急速に拡大する仏教徒の愛国心をなだめる思惑がある
現在、スー・チー氏のノーベル平和賞の取り消しを求める署名活動が行われています。
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38万人の署名が集まっているようです。
ちなみにノーベル平和賞は一度も取り消されたことがないとのこと。
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スー・チー氏は一人目になるのか。