「ウェルシュ菌」という菌を知っていますか?
夏になると毎年のように「食中毒」が心配されますが、「ウェルシュ菌」というのは食中毒の原因となる恐ろしい菌なのです。
今回は、夏の食事で心配される食中毒の原因、ウェルシュ菌の殺菌方法や予防・対策法を紹介します。
ウェルシュ菌とは
ウェルシュ菌とは、普段土や水の中などの自然界だけではなく、人や動物の大腸内の常在菌でもあります。
食中毒の原因になる他、ガス壊疸・化膿性感染症・敗血症の原因ともなる恐ろしい悪玉菌なのです。
ウェルシュ菌の殺菌方法!レンジ、圧力鍋、冷凍は正しい?
食中毒と聞くと、加熱をしたり冷凍保存をすれば大丈夫と安心していませんか?
では、食中毒の元であるウェルシュ菌もレンジや圧力鍋で加熱したり、冷凍をすることで殺菌することが出来るのでしょうか?
まずはレンジから見ていきましょう。
ウェルシュ菌の芽胞は100℃の温度でも10分間耐えることが出来ます。
レンジで温めても中心と外側の温度差が違う事も多いので、ウェルシュ菌を殺菌できるとは言い切れません。
次に圧力鍋を見ていたいと思います。
圧力鍋は鍋の内側に圧力をかけることで100℃以上の熱で食品を加熱することが出来ます。
その為、15分以上圧力鍋で加熱することで、ウェルシュ菌を殺菌することが考えられています。
最後に冷凍はどうでしょうか?
ウェルシュ菌は低温に弱く、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、さらに−15℃以下では増殖が停止します。
その為、食べ物を保存するためには、小分けにして急速に冷凍するのはウェルシュ菌の増殖を抑えるには有効なのです。
ウェルシュ菌の予防と対策について
では、ウェルシュ菌を予防・対策するためにはどうすればいいのでしょうか?
一番大切なのは、ウェルシュ菌の増殖を抑えることです。
まず、調理をするときにはきちんと手を洗い、殺菌をするようにしましょう。
次に、調理したらなるべくすぐに食べるという事です。
ウェルシュ菌が一番増殖する環境が整っているのがカレーやシチューなどの汁物です。
これらを作った場合にはすぐに食べることを心がけ、もしも保存をするときには小分けにして急速に冷蔵・もしくは冷凍をします。
そして、冷蔵・冷凍したものは良く加熱をしてから食べるようにしましょう。
さらにウェルシュ菌は酸素に弱いという性質があるので、鍋を混ぜるときにはなべ底からしっかりと空気を含ませるようにかき混ぜるようにするといいですよ。
まとめ
特にカレーの場合、2日目の方がよく煮込まれていておいしいと言いますよね。
実際にわが家でもカレーなどの煮込み料理は多めに作って2日目以降も食べることが多くあります。
しかし、残った食品をそのまま放置しておくのはウェルシュ菌が一番発生しやすい環境を作ることになります。
ウェルシュ菌が一番発生しやすいのが、30℃〜40℃なのです。
特に暑い夏は食中毒が発生しやすい季節となります。
ウェルシュ菌の増殖を極力抑えるように、保存方法には十分に注意しましょう。